体脂肪が落ちない原因は、その「減らし方」かもしれません
食べる量を減らしても体脂肪が落ちない。厚生労働省e-ヘルスネットは、極端な食事制限は長続きせず精神的にも悪影響と指摘しています。まず3〜4%の緩やかな減量、ウエスト周囲径の確認、1日約8,000歩と週2〜3日の筋トレまで、見直す順番をまとめました。

食べる量は確かに減らしている。それなのに体重計の数字も体脂肪率も動かない——そうなると、次に頭に浮かぶのは「もっと減らさないとダメなのか」でしょう。ところが厚生労働省のe-ヘルスネットが強調しているのは、その逆の方向です。減らし方そのものが続かない形になっていないか、そして体重計の数字だけを見ていて見落としているものがないか。まずはこの2点から確認していきます。
「極端に減らす」ほど、体は落ちにくくなる
e-ヘルスネットは肥満の予防・治療について、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランス改善が第一としたうえで、極端な食事制限は長続きしない上、精神的にも悪影響を与えるとはっきり書いています。特定の食品を抜く、食事量を一気に落とす——短期的に数字が動いても、続かなければ元に戻ります。
そもそも減量が必要な状態かどうかの見極めも先です。日本人の食事摂取基準(2025年版)が目標とするBMIは、18〜49歳で18.5〜24.9、50〜64歳で20.0〜24.9、65歳以上で21.5〜24.9。e-ヘルスネットは、若い女性では「自分は太っている」と思っている人のうち半数以上が標準体重以下だったという実態にも触れ、不必要なダイエットによる健康への弊害を懸念しています。
体重計の数字だけでは見えないもの
同じBMIでも、脂肪がどこについているかで健康への影響は大きく変わります。腹腔内に脂肪が多くたまる内臓脂肪型肥満(リンゴ型)は、糖尿病・高血圧・脂質代謝異常を発症する確率が高くなる一方、下半身中心の皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)ではそうした症状はあまりみられない、というのがe-ヘルスネットの整理です。判断の入り口になるウエスト周囲径の基準は男性85cm以上、女性90cm以上(内臓脂肪面積として男女とも100cm²以上に相当)。
逆に、BMIが標準の範囲でも筋肉や骨に比べて脂肪が多い「隠れ肥満」もあり、これは近年の若い女性に多くみられると指摘されています。体組成計は機種によって推定方法や判定基準が異なるため、e-ヘルスネットは絶対値ではなく増減の傾向をつかむ目安として使うことを勧めています。数字が動かないのではなく、見ている数字が変化を拾えていない場合もあるということです。
もう一つ、見落とされやすいのが食事のリズムです。e-ヘルスネットは欠食や食事時間を含む食事のリズムの見直しを重要な項目として挙げ、あわせて、意識しないうちに摂取エネルギーが過剰になりやすい間食やお酒の量にも留意するよう促しています。
「食べない」より「整える」ほうが結果が出る理由
ここからは、日本の公的な指針の範囲で実際に取り組めることだけを挙げます。
- まずは3〜4%の減量を目標に — e-ヘルスネットは「3〜4%の緩やかな減量でも、検査値の異常は改善するといわれています」と紹介しています。体重70kgなら2〜3kg程度。ここを最初のゴールに置くと現実的です。
- 主食・主菜・副菜をそろえる — 特定の食品を抜いたり極端に量を減らすのではなく、バランスのよい食事を基本に、食材の選択・調理法・菓子やアルコールなどの嗜好品を見直すのがe-ヘルスネットの推奨です。
- 目標は具体的な行動に落とす — 「減らす」「控える」という漠然とした目標ではなく、「ご飯は1膳まで」「間食は1日1回まで」のように決めると実践しやすい、と同ページは具体例まで示しています。
- 1日約8,000歩+筋トレ週2〜3日 — 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023は成人に対し、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、そして筋力トレーニングを週2〜3日取り入れることを推奨しています。座りっぱなしの時間が長くなりすぎないことも項目に入っています。
- 食事記録をつける — いつ、どんなときに、何を食べ、どう感じたか。課題を可視化する方法としてe-ヘルスネットが勧めており、スマートフォンのアプリでも構いません。
最後に確認しておきたいこと
ここまでの項目を短く振り返ります。減らし方が極端になっていないか。目標が「減らす」ではなく具体的な行動になっているか。体重だけでなくウエスト周囲径も測っているか。1日8,000歩と週2〜3日の筋トレに近づけているか。食事記録で自分の傾向を見えるようにしたか。なお、体重や体脂肪の変化が急激な場合や、だるさ・むくみ・月経不順などほかの症状を伴う場合は、食事や運動を見直す前に医療機関で相談してください。この記事は一般的な情報であり、診断や治療に代わるものではありません。
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