骨密度が下がる3つの原因 日本人に多いカルシウム不足と塩のとりすぎ
骨密度の低下は痛みがなく、骨折して初めて気づくことも少なくありません。日本人のカルシウム摂取量は推奨量に届かず、食塩は目標量を大きく超えています。塩とリンがカルシウムを逃がす仕組みと、豆腐や小魚、納豆で今日から補える具体的な方法を、公的な調査データをもとに紹介します。

身長が少し縮んだ気がする、上着の丈が長くなった、写真に写る背中が丸い。骨密度の低下は痛みを出さずに進むので、多くの人は転んで骨折してから気づきます。そして日本の食卓には、骨からカルシウムが抜けやすくなる条件がそろっています。海外の記事ではコーラやソーセージが名指しされますが、日本の場合はもう一段手前、毎日の調味料とカルシウム摂取量そのものに事情があります。
そもそも、カルシウムの摂取量が推奨量に届いていません
骨は古い部分が壊され、新しい部分がつくられることを繰り返しています。血液中のカルシウムが減ると、体は命に直結する血中濃度を優先し、骨に蓄えたカルシウムを取り崩して補います。ところが国民健康・栄養調査(令和元年)による日本人のカルシウム摂取量は男性517mg、女性494mg。日本人の食事摂取基準(2025年版)の推奨量は成人男性で750〜800mg、女性18〜74歳で650mgですから、平均値が推奨量に届かない状態が長く続いています。とくに20代女性は384mgと、開きが大きくなっています。

食塩のとりすぎで、とったカルシウムが尿へ逃げます
ナトリウムは腎臓から排泄されるとき、カルシウムを一緒に連れて出ていきます。令和5年の国民健康・栄養調査では、食塩摂取量の平均は男性10.7g、女性9.1gで、目標量(男性7.5g未満、女性6.5g未満)を大きく上回っています。ここが日本の特徴で、食塩摂取源の約7割はしょうゆ・塩・みそなどの調味料です。調味料以外では麺類、魚介加工品、漬物、ハム・ソーセージ、パンが主な供給源として挙げられています。つまり減塩の主戦場は加工食品より調味料だということになります。

加工食品のリンは、腸でのカルシウム吸収を邪魔します
厚生労働省のe-ヘルスネットは、骨粗鬆症の「除去できる危険因子」としてリンの過剰摂取、食塩の過剰摂取、多量のコーヒー、過度の飲酒を挙げています。加工食品やスナック菓子に多く含まれるリンをとりすぎると、小腸でのカルシウム吸収が妨げられます。ハムやソーセージ、練り物のような食品は、塩とリンを同時に増やしやすいという点で二重に不利です。どれも食べてはいけないという話ではなく、毎日の定番にしないという程度の距離感で十分です。

カルシウムを底上げして、塩を1gずつ減らす
- 木綿豆腐半丁(150g)で約140mgのカルシウムがとれます。牛乳コップ1杯(200g)は約220mg。大豆製品は乳製品に次いで吸収率が良いとされています。
- e-ヘルスネットは、小松菜などの緑黄色野菜、ひじきなどの海藻、豆腐などの大豆製品を組み合わせる方法を紹介しています。
- しらすやいわしの丸干し(1尾30gで約132mg)など、骨ごと食べられる小魚を常備しておくと、不足分を埋めやすくなります。
- ビタミンKはカルシウムが骨から流れ出るのを防ぐ働きがあると言われています。納豆、小松菜、モロヘイヤが代表的な食品です。
- 減塩は調味料から手をつけます。しょうゆはかけずに小皿でつける、麺類の汁を残す、みそ汁を1日1杯にとどめる。この3つだけで1g前後は動きます。
- 骨に体重をかける運動も合わせて。早歩きや階段の上り下りなど、負荷がかかることが骨を保つ合図になります。
今夜、ひとつだけ変えるなら
全部をいっぺんに変える必要はありません。今夜の食事で麺類の汁を半分残す、または冷奴を一品足す、どちらか片方だけ試してみてください。骨密度は数週間で変わるものではありませんが、こうした小さな選択が積み重なる場所でもあります。なお、この記事は一般的な健康情報であり診断ではありません。骨密度が気になる場合は、医療機関で骨密度検査について相談してみてください。
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